FEATURE / CARE

梅雨前に済ませたい、木製家具の手入れ

木製家具の手入れは、梅雨入り前の1時間で決まります。6月に入ると、ダイニングテーブルの天板に白い輪染みができる。麦茶のグラスを、結露したまま置いた。それだけです。

梅雨前に済ませたい、木製家具の手入れ

木は、水分を吸って膨らみ、乾いて縮みます。この動きを完全に止めることはできません。できるのは、表面を守って、水が染み込む速度を落とすこと。梅雨入り前の1時間が、1年分の傷みを減らします。

塗装を見れば、手入れが決まる

木製家具の手入れは、塗装の種類で全部変わります。間違えると、かえって傷めます。

オイル仕上げは、木に油を含ませて守るタイプ。表面に膜がないので、水は染みます。だから定期的に油を足す必要があります。手入れは3ヶ月に1回。蜜蝋ワックスか、亜麻仁油を使います。

ウレタン塗装は、表面に樹脂の膜を作るタイプ。水を弾きますが、膜が傷つくと一気に染みます。手入れは、乾いた布で拭くだけ。ワックスを塗ると、膜の上に油分が残り、かえって汚れます。

ウォルナットやオークの無垢材で、オイル仕上げが多いのは、木目を活かすためです。逆に、突き板にウレタンという組み合わせも多い。見分け方は、水を1滴落としてみること。染み込めばオイル、弾けばウレタンです。

塗装 水の染み込み 手入れの頻度 使うもの
オイル仕上げ 染みる 3ヶ月に1回 蜜蝋ワックス、亜麻仁油
ウレタン塗装 弾く 汚れたときだけ 乾いた布、水拭き
無塗装 すぐ染みる 月1回 オイル、ワックス

蜜蝋ワックスの塗り方

オイル仕上げなら、梅雨入り前に1回塗ってください。所要時間は、ダイニングテーブル1台で20分ほどです。

1. 天板の埃を、乾いた布で払う。濡れた布は使わない。 2. ワックスを、1㎡あたり5ml取る。ティースプーン1杯が約5mlです。 3. 木目に沿って、薄く伸ばす。円を描くと、木目に油が溜まります。 4. 30分置く。この間に、ワックスが木に浸透します。 5. 乾いた布で、余分な油を拭き上げる。ここを省くと、ベタつきます。

塗った直後は、24時間ほど水を避けてください。コースターを置くのも、翌日からにします。

蜜蝋ワックスを布で伸ばす、オーク天板の手入れ
蜜蝋ワックスを布で伸ばす、オーク天板の手入れ

湿気は、50〜60%で止める

木が反るのは、湿度の上下が原因です。40%と80%を行き来すると、天板は1mm単位で動きます。目標は50〜60%。この範囲なら、ほとんど動きません。

除湿機を使うときは、風を家具に直接当てないでください。1m以上離すと、急な乾燥を防げます。直接当てると、表面だけ乾いて、内側との差でひびが入ります。

梅雨の時期は、家具の下に空気を逃がすのが効きます。脚が10cm以上あるなら、そのままで大丈夫。脚が低い場合は、3cmの木片を4つ、脚の下に敷くだけで、床とのあいだに空気の層ができます。

水染みができたら、まず乾かす

白い輪染みは、表面の塗膜の中に水が入った状態です。これは、乾かせば消えます。ドライヤーを30cm離して、弱風で5分。焦げないように、動かしながら当ててください。

黒っぽい染みは、木の中まで水が入った状態です。これは、乾かしても消えません。紙やすりで表面を削り、オイルを塗り直す必要があります。400番から始めて、800番で仕上げます。

急いで拭くと、塗膜を傷つけます。まず乾かす。これが原則です。

道具は3つで足ります。乾いた布、蜜蝋ワックス、そして400番と800番の紙やすり。この3つがあれば、日常の手入れから軽い傷の補修まで対応できます。

布は、綿か麻を選んでください。マイクロファイバーは油を吸いすぎて、天板に残す量が足りなくなります。古いTシャツを切ったもので十分です。

ワックスは、蜜蝋が主体のものを選びます。カルナウバ蝋は硬度が高く、床向き。家具には、伸びのいい蜜蝋のほうが扱いやすいです。1缶200gあれば、ダイニングテーブルなら3年もちます。

傷が入ったときは、まず800番で軽く擦ります。それで消えなければ400番、という順番です。いきなり粗い番手を使うと、木目を潰します。

よくある質問

Qアルコールで拭いてもいいですか?

ウレタン塗装なら短時間なら大丈夫ですが、オイル仕上げは避けてください。塗膜が溶けます。

Q市販の家具用クリーナーは必要ですか?

オイル仕上げなら不要です。ワックスと乾いた布があれば足ります。

Q天板に熱い鍋を置いてしまいました。

白く濁った跡は、ワックスを塗り直すと薄くなります。焦げた場合は、削るしかありません。

Q梅雨の時期、家具を移動させたほうがいいですか?

窓際から1m離すだけで十分です。移動より、除湿のほうが効果があります。

Q無垢材と突き板、手入れは違いますか?

表面の塗装が同じなら、手入れは同じです。ただし突き板は、削り直しができません。

木は、手をかけた分だけ長く使えます。次は、食器棚の中を梅雨から守る方法をまとめています。

‹ 特集一覧へ戻る