原因は、揃えすぎです。全部同じにすると、部屋は「セット」になります。セットは便利ですが、暮らしにはなりません。
揃えることの、本当のメリット
シリーズ家具の価値は、見た目より機能にあります。
天板の高さが揃うので、並べたときに段差が出ません。脚の形が同じなので、掃除機が引っかかりません。同じ塗装なので、傷の補修も同じ道具で済みます。引出しのレールが同じなら、動きも揃います。
これらは、写真では分かりません。使って初めて効いてくる部分です。
ただし、3点まで
同じシリーズで揃えるのは、3点までにしてください。テレビボード、ローテーブル、サイドテーブル。この3点なら、部屋に統一感が出て、まだ余白が残ります。
4点目を足すと、展示場になります。5点で、量販店のモデルルーム。6点を超えると、人が住んでいる感じが消えます。
| 点数 | 印象 | 向く部屋 |
|---|---|---|
| 2〜3点 | 統一感があり、余白も残る | 6〜8畳 |
| 4点 | 揃いすぎ、少し硬い | 10畳以上 |
| 5点以上 | 展示場、暮らしが見えない | 広いリビングでも重い |
4点目は、別の素材にする
3点揃えたら、4点目は別のシリーズか、無垢材の一点ものを選びます。
木の色は、近いものにしてください。オークのシリーズなら、オークの無垢材。ウォルナットなら、ウォルナット。色が近ければ、デザインが違っても馴染みます。
逆に、色が違うと、そこだけ浮きます。オークの家具に、濃いウォルナットの棚を置くと、部屋が分断されます。
金属を混ぜるのも手です。スチールの棚、真鍮のランプ。木だけの部屋に、金属が1点入ると、引き締まります。
脚の形は、揃えたほうがいい
デザインは混ぜていいですが、脚の形は揃えてください。
家具の脚は、大きく3つに分かれます。細いテーパード、直線のブロック、丸い木の脚。この3つが混ざると、部屋が落ち着きません。
揃えるなら、細いテーパードが一番合わせやすい。どんな家具にも馴染み、床の面積を残します。
高さを、2段階に分ける
家具の高さは、2段階に分けてください。低いもの(40cm以下)と、高いもの(70cm以上)。
低いものばかりだと、部屋が平面的に見えます。高いものが1点入ると、視線が動いて、奥行きが出ます。
逆に、高いものばかりだと、圧迫感が出ます。低い家具を7割、高い家具を3割。この比率が、落ち着きます。
揃えたあとに、足すもの
セットで揃えた部屋に足すのは、家具ではなく、暮らしの道具です。
読みかけの本、飲みかけのカップ、季節の枝、子どもが作ったもの。これらは、シリーズでは揃えられません。そして、部屋に「人が住んでいる」感じを与えます。
家具を揃えるのは、土台を作る作業です。その上に、揃えられないものを置いてください。
予算の目安と、中古という手
シリーズ家具は、単品で買うより1〜2割安く設定されていることが多いです。テレビボード5万円、ローテーブル3万円、サイドテーブル1.5万円。3点で9.5万円が、セットだと8万円前後になります。
ただし、セットには使わないものが入ります。テレビボードとローテーブルと棚のセットで、棚が不要なら、単品で買ったほうが安く済みます。
買い足すなら、引っ越しから3ヶ月後。それまでは、いまある家具で暮らしてください。3ヶ月使うと、何が足りないかが分かります。最初に揃えると、使わないものを買います。
中古を混ぜる
シリーズ家具は、中古が出回ります。同じシリーズなら、色も形も揃うので、追加に便利です。傷はありますが、値段は半額以下。
ただし、製造ロットで色が変わります。5年以上前のモデルは、同じ名前でも色が違うことがあります。買う前に、いま持っている家具と並べて確認してください。
よくある質問
Qシリーズで揃えると、飽きませんか?
飽きにくいです。色と形が揃っているので、模様替えのときに困りません。ただし、個性は出ません。
Q違うシリーズの家具を混ぜても大丈夫ですか?
大丈夫です。木の色を近づけ、脚の形を揃えれば、統一感は出ます。
Q3点までと言われましたが、6畳で3点は多いですか?
多くありません。テレビボード、テーブル、サイドテーブルなら、6畳でも収まります。
Q揃えた家具の色が、床と合いません。
ラグで調整してください。床と家具のあいだに、中間色のラグを敷くと、馴染みます。
揃えるのは簡単で、混ぜるのは難しい。次は、インテリア初心者が部屋を整える手順についてまとめています。






