郊外に家を買うことはできない。けれど、2畳のベランダに椅子を1脚置くことはできる。豊かさは、面積ではなく、行動の回数で決まります。
朝の2時間で、週末が決まる
7時、ハーブを摘む
ベランダに、ハーブを3種類だけ置いてください。ローズマリー、ミント、バジル。この3つは、日当たりが2時間あれば育ちます。
朝7時に、必要な分だけ摘みます。ローズマリーは2枝、ミントは5枚、バジルは3枚。摘む量を決めておくと、育ちすぎません。
ハーブは、摘むことで育ちます。放置すると、茎が木質化して、葉が硬くなります。週1回、先端を摘むだけで、1年持ちます。
8時、コーヒーを淹れる
ベランダに、ケトルとカップを持ち出します。コンセントがない場合は、保温ボトルに湯を入れておくだけで十分です。
豆は、週末だけ挽きます。手回しのミルなら、30gで2分。この2分が、平日との違いになります。
椅子は、折りたたみの木製が向いています。座面の高さが35cm前後で、背もたれがあるもの。ラタンでもいいですが、雨に弱いので、軒下に置いてください。
| 道具 | 目安の価格 | 置き場所 | 手入れ |
|---|---|---|---|
| 折りたたみチェア | 5,000〜15,000円 | 壁際 | 雨の日は畳む |
| 小さなサイドテーブル | 3,000円前後 | 椅子の横 | 拭くだけ |
| ハーブ3鉢 | 1,500円前後 | 手すり側 | 水やり毎日 |
| 保温ボトル | 2,000円前後 | 室内 | 週1回洗う |
| 園芸ばさみ | 1,000円前後 | 鉢の横 | 拭くだけ |
9時、本を3ページだけ読む
ベランダでは、長く読まないでください。3ページで十分です。風と光があるので、集中は続きません。続かないことを前提にすると、読む習慣が残ります。
本は、1冊だけ持ち出します。2冊持つと、選ぶ時間が生まれます。選ぶ時間は、読む時間ではありません。
昼は、何もしない
ベランダの価値は、何もしない時間にあります。スマホを持ち出さない。音楽もかけない。20分だけ、音のない時間をつくってください。
都内のベランダでも、朝は静かです。鳥の声、遠くの電車、風で揺れる葉。この3つが聞こえれば、十分に「田舎」です。
夜は、灯りを1つだけ
夜のベランダは、灯りを1つだけ置きます。キャンドルか、充電式の小型ランプ。明るさは、本が読めるか読めないか、くらいで十分です。
虫が来るのが嫌なら、灯りは足元に置いてください。顔の高さに置くと、寄ってきます。蚊取り線香は、風上に。
週末の2時間を、予定に入れる
一番大事なのは、これです。土曜の7時から9時までを、予定として入れてください。予定にしないと、寝て終わります。
家族がいる場合は、交互に。片方がベランダ、片方が子どもの世話。2時間ずつ、1人で過ごす時間をつくると、週末の質が変わります。
2畳を、部屋にする
ベランダを「外」として扱うと、人は出なくなります。5分だけでも座れる場所にするには、3つ必要です。
1つ目は、足元。コンクリートのままだと、冷たくて長くいられません。屋外用の小さなラグか、ござを1枚。90cm×150cmで足ります。
2つ目は、目隠し。手すりに簾(すだれ)を掛けると、視線が遮られて、落ち着きます。風は通るので、暑くありません。
3つ目は、置き場所。椅子の定位置を決めてください。毎回出すと、出さなくなります。畳んだまま壁に立てかけておき、週末だけ開く。この程度の手間が、続くラインです。
続けるコツは、片付けを10秒にすること
ベランダが続かない理由は、片付けです。椅子、テーブル、カップ、本。4つを室内に戻すのに1分かかると、そのうち出さなくなります。
片付けを10秒にするには、置き場所をベランダ内につくります。小さな収納ボックス1つに、カップと本を入れる。椅子は畳んで壁に。これで10秒です。
雨が心配なら、ボックスは防水のものに。2,000円ほどで買えます。中に乾燥剤を1つ入れておけば、梅雨も安心です。
よくある質問
Qベランダが1畳しかありません。
椅子1脚と鉢2つなら置けます。テーブルは、椅子の肘掛けに付けるタイプで代用してください。
Q日当たりが悪いのですが、ハーブは育ちますか?
ミントとローズマリーは、2時間の日照で育ちます。バジルは4時間必要なので、諦めてください。
Q雨の日は、どうしていますか?
椅子を畳んで、室内に。ハーブは雨に当たっても大丈夫ですが、鉢の受け皿に水が溜まったら捨ててください。
Q賃貸で、ベランダに物を置いてもいいですか?
大抵は問題ありません。ただし、避難経路を塞がないこと。手すりに物を掛けるのは避けてください。
Q冬は、どう過ごしますか?
椅子に座布団を敷き、毛布を1枚。10分だけでも、外の空気を吸うと違います。
週末の豊かさは、遠出ではなく、2時間の過ごし方で決まります。次は、色で失敗しない配色のルールについてまとめています。



