FEATURE / STYLING

スタイリストが実践する、家具の見せ方

家具のスタイリングは、置き方を決めることから始まります。コンソールテーブルを買った。最初の1週間は、花瓶を1つ置いて、きれいだった。1ヶ月後、郵便物、鍵、充電器、子どもの作品。気づけば、物置になっている。

スタイリストが実践する、家具の見せ方

家具の上は、放っておくと物が溜まります。溜まらないようにするには、置き方を決めること。決まっていれば、新しい物が来ても、置き場所がはっきりします。

3点で、三角をつくる

1つの面に置くのは、3点まで。これが基本です。

3点は、高さを変えます。高いもの、中くらいのもの、低いもの。この3つで三角形ができると、視線が自然に流れます。

例えば、高さ40cmの花瓶、高さ10cmのトレイ、高さ3cmの本。この3つを、左から高い、低い、中くらいの順に置くと、三角が2つできます。

4点目を置くと、三角が崩れます。どうしても置きたいなら、1点を撤去してください。

正面を、揃えない

すべての小物を正面に向けると、写真のような硬さが出ます。店のディスプレイは、正面を揃えています。暮らしの部屋は、少しずらします。

本は1冊だけ斜めに。器は1つだけ角度を変える。額縁は、壁にぴったり寄せない。この「1点だけずらす」で、部屋に人の気配が出ます。

ただし、2点以上ずらすと、散らかって見えます。ずらすのは、1点だけ。

実例3通り

A:ミニマル。花瓶1つ、トレイ1つ、本1冊。色は3色以内。何も足さない。掃除が楽で、長く続きます。忙しい人に向きます。

B:レイヤード。額縁を壁に立てかけ、その前に低い器、横に本を3冊。奥行きを使って、重なりをつくります。額縁の高さは、花瓶より10cm低くすると、喧嘩しません。

C:本と陶器。本を5冊、横に積む。その上に器を1つ。本の色が揃っていれば、積んでも整って見えます。本の高さは、揃えなくて大丈夫です。

スタイル 点数 必要なもの 向く人
ミニマル 3点 花瓶、トレイ、本 掃除を楽にしたい
レイヤード 4〜5点 額縁、器、本 奥行きを出したい
本と陶器 6点 本5冊、器1つ 本を飾りたい

季節で、1点だけ替える

スタイリングを続けるコツは、季節ごとに1点だけ替えることです。全部を替えると、続きません。

春は枝もの、夏はガラス、秋はドライフラワー、冬はキャンドル。この1点だけを替えると、部屋の印象が変わります。

替えたものは、箱に入れて保管します。次の年に、また出せばいい。1点ずつ増やしていくと、3年で12点の引き出しができます。

物が溜まったときの、戻し方

コンソールの上が物置になったら、全部を一度、床に下ろしてください。3点だけ選んで、戻します。残りは、引き出しへ。

選ぶ基準は、「見て気持ちがいいか」。郵便物、鍵、充電器は、見て気持ちよくありません。これらは、引き出しの中に定位置をつくります。

定位置が決まっていれば、戻すのに10秒かかりません。10秒で戻せない場所は、そのうち戻さなくなります。

仕上げに、光と写真

照明を1つ足す

小物は、光が当たって初めて見えます。天井の照明だけだと、影ができず、小物が平面的になります。

コンソールの奥に、小さな間接照明を1つ。高さ20cmほどの卓上ランプで十分です。光が壁に当たると、花瓶の輪郭が浮かびます。

ランプの色は、2700K。小物の色を濁らせません。4000Kだと、陶器の色が白っぽく飛びます。

写真に撮って確認する

スタイリングは、写真に撮ると粗が見えます。スマホで1枚撮って、見返してください。写真では、余白の量と、高さのバランスがはっきり分かります。

撮ったときに「物が多い」と感じたら、1点減らします。人間の目は、その場の雰囲気に慣れて、物の多さに気づきません。写真は、その慣れをリセットします。

よくある質問

Q花瓶の花は、生花とドライ、どちらがいいですか?

手入れの頻度で選んでください。週1回水を替えられるなら生花、月1回しか見ないならドライです。

Qトレイは、何を乗せるために使いますか?

鍵、時計、印鑑など、ポケットから出すものです。トレイがあると、そこに集まります。

Q額縁は、何枚まで並べられますか?

2枚までです。3枚以上は、壁が展示スペースになります。1枚を大きくするほうが、落ち着きます。

Q子どもの作品は、どう飾りますか?

1点だけ、額に入れて飾ってください。全部を貼ると、壁が情報で埋まります。

Q埃がすぐ溜まります。

小物は、月1回まとめて拭いてください。数が多いほど、拭かなくなります。3点までにする理由でもあります。

見せ方は、センスではなく、数と高さです。3点と三角、それだけで足ります。次は、ダイニングチェアの選び方についてまとめています。

‹ 特集一覧へ戻る