押し入れから出てきた、30年前の箱
母の実家を片付けることになったのは、祖母が施設に移ったからです。押し入れを開けると、ひもで縛った段ボールが11箱出てきました。
中身は、30年前の釜、使っていない食器、誰のか分からない写真、そして大量のタオルでした。「もったいない」という言葉が、そのまま箱になったような光景です。
このとき気づいたのは、物を捨てられない理由は、物そのものへの愛着ではないということです。捨てる判断をするのが面倒だから、置いてある。それが実態でした。
「もったいない」の正体
物を捨てるとき、多くの人が「もったいない」と言います。けれど、その物が使われていない時間のほうが、よほどもったいない。
30年前の釜は、一度も火にかけられていません。タオルは20枚あり、年間で使ったのは4枚。残り16枚は、20年間押し入れの中にありました。
物の価値は、買った値段ではなく、使われた回数で決まります。1万円の鍋を100回使えば1回100円。3000円の鍋を3回しか使わなければ、1回1000円です。

手放す基準を、3つに決めた
判断に迷わないように、基準を3つ作りました。
1つ目は、1年使っていないか。季節物は1年、それ以外は半年で判断します。2つ目は、替えが買えるか。100円ショップで買える物は、手放しても困りません。3つ目は、置き場所を説明できるか。「押し入れの奥」しか答えられない物は、手放します。
この3つで、11箱のうち8箱が空きました。残したのは、写真、位牌、祖母の洋服1着、そして手紙です。
判断に迷った物は、1つの箱にまとめて、3か月後に開けました。3か月後、開けずに捨てられたものが半分ありました。時間が判断してくれることもあります。
実家で、残した物と捨てた物
残した物は、4種類でした。写真、位牌、祖母の洋服1着、手紙。この4つは、箱1つに収まりました。
捨てた物は、食器48点、タオル16枚、釜3つ、電化製品6点、衣類60着。合計で、軽トラック1台分です。
捨てるのに迷ったのは、食器でした。48点のうち、実際に使っていたのは12点。残りは、来客用として取ってあったものでした。来客は、年間で3回。36点は、20年間使われていません。
手放した後の、部屋の変化
実家の押し入れが空くと、部屋の空気が変わりました。当たり前ですが、物が多いと、ほこりが溜まり、湿気がこもります。押し入れを開けたときの、あの独特のにおいもなくなりました。
自分の部屋も、同じように整理しました。結果、収納家具を1台手放せました。物が減ると、家具も減ります。家具が減ると、掃除の時間が減ります。
整理は、収納を増やすことの逆です。増やす前に、減らせるものを探してください。
手放せない物の、残し方
それでも手放せない物は、あります。写真、手紙、子どもの作品。これらは、捨てるのではなく、残す方法を考えます。
写真は、データにします。1冊のアルバムに20枚だけ残し、残りはスキャンして外付けハードディスクに移します。手紙は、封筒ごと1つの箱に入れます。
子どもの作品は、写真に撮ってから、1年分を1つのクリアファイルにまとめます。全部残すと、10年で段ボール5箱になります。
よくある質問
家族が物を捨てたがりません。
自分の物だけを整理してください。他人の物を勝手に捨てると、関係が悪くなります。
高かった物は、捨てられません。
買った値段は、もう戻りません。これから使うかどうかだけで判断してください。
いつも片付けが三日坊主になります。
1日1か所にしてください。引き出し1段、棚1段。15分で終わる範囲にします。
実家の片付けは、どのくらいかかりますか。
1K相当の物量で、2日。家族で協力できるなら1日です。業者に頼むと、5万〜15万円かかります。
実家の押し入れが空いた日、母が「これで、いつでも帰ってこられる」と言いました。物を減らすと、場所が戻ります。あわせて読むなら、賃貸でも収納を増やす方法と「しまい場所」を決める収納ルール、布団と季節ものの収納も参考になります。収納の記事は家具ガイドの04ブロックにまとめています。
The Short Version
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